社員インタビュー

AIは人間をより「人間的に」してくれる-1度AIから離れたエンジニアが戻ってきた理由とは?

今回の社員インタビューはAI開発部の江尻さんです。
社内のテニス部やバスケ部、ボードゲーム部を取り仕切ってくれる彼は社内コミュニケーションの要。クライアントにも慕われる彼にAIエンジニアに必要な素養や入社のいきさつを訊いてみました。


クロスコンパスでどんな仕事をしていますか?

現在は先端AI開発部という部門に所属しています。仕事内容はいわゆるコンサルティングで、クライアントの抱える様々な問題に応じて、AIを用いたソリューションを開発し提供しています。仕事内容は大まかに2種類に分けられます。

2種類というと?

クライアントの抱える問題に対して、「何をすれば解決するか?」をクライアント共に考え実証するPOC(概念実証)と、POCで実証された提案を実際のAIソフトウェアに落とし込んで納品するAI導入があり、前者はコミュニケーション力、調査力、PDCAを回す能力が問われ、後者は実装能力が問われます。また部門内では外国の方や帰国子女の方が大半を占めるため、社内コミュニケーションの半分以上が英語になります。コンサルティング、エンジニアリングに加えて英語力まで要求されているので、かなり大変ですが、刺激のある毎日を送っています。

AIに関わったきっかけは何ですか?

初めてAIに関わったのは約10年前です。大学の研究室で人間の概念想起プロセスのコンピューティングに取り組む中で、AIの可能性に触れました。ただ当時自分の中でAIは単なる計算アルゴリズムで人間の知性からは程遠いという印象でしたね。当時は実用性が感じられませんでした。

大学時代から人工知能に関わっていたのですね。 人間の概念想起プロセスというと?

人間は外部環境から様々な種類、例えば音声や視覚、味覚など異なる次元の情報を得ていますが、それらの情報を統合して物事の概念を獲得するプロセスを人工知能で再現する研究をしていました。
その後、研究をして行く中で, 当時のAIの限界なども分かってきたため、新卒では全くAIとは関係ない製造業に就職しました。

AIから一度離れたのにどうしてクロスコンパスに入ることになったのでしょうか?

就職後は製造現場に近い生産技術部門に配属され、その中でロボット導入や製造状態の可視化などIoTの潮流に乗った案件を担当させてもらいました。その時の話ですが、数年掛けて頑張ってデータが溜まる環境を構築したものの、誰もそのデータを活用できない。「データさえあれば世界が変わる」と言っていたのに、いざデータが溜まると「で、どうすればいいんだろう?」と、結局現状が改善されないまま、ただただ膨大なデータが溜まってゆくのを眺める日々が続いたんです。その時に、世の中には同じようにデータはあるのにどう活用すれば良いか分からない現場が沢山あるに違いないと確信しました。学生時代にデータ分析に使っていたAIを思い出し、自身の学生時代の経験で社会に貢献できるかもしれないと思ったことがクロスコンパスの門を叩いたきっかけです。

大学時代と比べ現在のAI技術はどうですか?

昔に比べずいぶん色々なことができるようになったと感じます。アルファ碁が良い例ですが、特定の分野ではすでに人間以上の知性を持つようになりましたね。 それに今は技術者にとってAIがより使い易い環境になりました。C言語でなくPythonでAIをプログラミングできるのは非常に能率的ですし、必要なアルゴリズムをパッケージでダウンロードできるのも大きいです。そういった進んだ環境がAIの進化を後押ししているのではないでしょうか。

AIエンジニア、またはデータサイエンティストに必要な素養や素質はどんなものですか?

私自身にその素養があるかは分かりませんが、エンジニアに大事なのは、目の前の現象に対して素直であること、現象の裏側のダイナミクスに対して仮説を立てて行動を起こせること、今の自分に足りない物を理解して補うこと、この3つだと思います。
加えてコンサルティングも鑑みるならば、相手が行動を起こすに足る、判断を下せるような情報を正確に伝えることでしょうか。
これはよく言われていますが、データサイエンティストに要求される範囲が非常に広く、全てを完璧にするのは厳しいので、他者と比較して自分の素養や得意分野を見極めて能力を高めるのことも大事な素養の一つかと思います。

AIの未来に可能性を感じますか?AIはどうなっていくと思いますか?

可能性は感じます。「どうしてこの時代にこんな非人間的な仕事があるんだろう?」という仕事が世の中に山ほどあるので(笑)
先日、開拓民がアメリカで鉄道を引くドラマを見ていたんですが、大勢の人がレールを運んでいるんですね。危ない作業な上に効率が悪くて、これをずっと?と思いながら見ていました。今だったら重機でもっと簡単にできる作業です。
つまり科学技術の発展が、人間から非人間的な要素を減らしていくというのは昔から変わらない図式で、AIも同様に人間をより人間的にしてくれる技術だと思っています。単純作業や重労働といった作業をAIや機械が代わりに担ってくれれば、人間はより人間らしい事に割く時間が増えるはずです。

「人間らしい」というと?

そうだなぁ。皆がスポーツ選手や芸術家になっても誰も食に困らないような社会になったらいいですね(笑)
ただ、AIブームはこれまで三度やってきては全て消失してしまったので、AIの恩恵を享受する為には今度こそしっかりと産業分野がAIの有益性を理解し、根付かせる必要があると思います。お客様が有益な技術を有益に使いこなせるよう手助けすることが、「人間らしい」社会の実現に近づくと思い、日々頑張っています。